第2回は 海外の学校で教えている時に感じたこと
元旦から始まった自分の学習観のルーツを辿る試み
第1回のeboardが切り拓く可能性に続いて
=======================
第2回は 海外の学校で教えている時に感じたこと
=======================
ベトナムに行くことによって学んだことは決定的でした。
一言で表現すれば、「まず世界観を変えよ」ということです。
私たちは、毎日無数の評価・判断をしています。その大半は無意識です。
常識・習慣によって決めて、行動しており無自覚です。
常識に自ら気づくことはまれです。
それに気づくのは、異質なものに出会った時です。
家庭から学校に出る時。
生まれ育ったところから、知らない土地に行く時。
社会人になる時。転職する時。結婚する時。
究極は、違う国に行って、文化や常識・習慣の違いに出会ってありえないだろうと思う時です。
その時に、自分は何を正しいと信じているの意識をします。
私にとっての最初のインパクトは、最初に参加してくれた社員からの問いです。
「日本の内戦はなぜ短期で終了したのですか?」
皆さんだったら、何と答えますか?
今まで、何人かに問いかけましたが、戸惑いますよね。
その次の問いは
「日本ではなぜ自殺する人が多いのですか?ベトナムでは失恋した人くらいです」
ベトナム戦争は、ベトナムとアメリカの戦争のようなイメージがあるかもしれません。
ベトナム人にとっては、北と南の内戦で、戊辰戦争と同じなのです。
戦争はなぜ起きるのか?
戦争が長期化するのはなぜか?
戦争はどうやって終結するのか?
それを考え始めるきっかけになりました。
教科書を変えたいという人たちの気持ちも少しわかるような気がしました。
日本の教育では、太平洋戦争はアジアへの侵略ですが、本当のところはどうなのでしょうか?
ベトナムでも独立戦争を戦えたのは、戦勝終結後も残り戦い方を伝え、共に戦った日本人たちの功績も少なくなかったそうです。『アジアの同胞を欧米列強の支配から解放するのだ』という大東亜共栄圏は産業と軍部の侵略のための建前だったかもしれませんが、それをまともに信じてアジアの植民地の解放を信じた人も多かったのではないでしょうか。
日本の植民地であった、台湾や韓国がいち早く先進国に追いついたことは、日本がヨーロッパ諸国のように愚民教育を施すのではなく、日本と同じ教育レベルの学校をつくったことと関係するかもしれません。
大家族、親類を合わせると100人からいて、助けあっているベトナムと
一人ひとりがバラバラになっている日本とどちらが幸せなのでしょうか?
ベトナムには、就職活動という概念はありません。
むしろ、あるのは日本と韓国ぐらいだそうです。
いい会社(大企業)に入れば幸せになれる。
そのためにはいい学校に入らなければいけない。
そのために受験のための勉強をする。
これは、工業社会においては、勝ちパターンだったかもしれません。
しかし、工業国はおしなべて幸福度が低いのです。
韓国は日本以上に受験競争が激しく、自殺者も多い社会です。
ベトナムでは、家族と友人以外は信じません。
イギリスでは、新聞に書かれていることは基本疑ってかかり、裏を取るそうです。
新聞、テレビはスポンサーや権力者に都合の良いことを書いているだけだと思っているからなのでしょうか。
マスコミや広告を信じやすい日本の方が非常識なのかもしれません。
日本の大学、特に文系では、あまり学問することを教えません。
知識というものは、今のところ正しそうだと多くの人が信じていることです。
新たな発見によって、変わってしまう可能性があるものです。
よって、自分で試してみることが必要です。
先行事例を追加検証して、なるほど、そうかと積み重ねてゆくものです。
自分の頭で考え、実験するということを学んでおかなければ、他者に振舞わされる人生になるかもしれません。
人は「世界観」によって認識し、評価し、判断、行動します。
成果をあげようとするならば、自分の世界観を知り、変容する必要があります。
これは、能力開発よりも先行して重要なことです。
自分の常識を疑えといわれても、どうして良いのかわらないですよね。
そのために有効な手段が「海外に行く」ということでした。
「田舎に行く」ということでも良いかもしれません。
私は自分の署名にこんなことを入れています。
自分を知るために、他者を知る
自社を知るために、他社を知る
自国を知るために、他国を知る
日本にいたのでは、思い込み・先入観で見えなかった
自分や日本の可能性を再発見しましょう
システム全体を観るためにはいったん外に出てみる必要があるのです。
第3回はJICAのプログラムづくりへの参加 を予定しています。
eboardのクラウドファウンディング挑戦。
残り39日。
達成まで776,000円
https://readyfor.jp/projects/eboard