第6回 学会のような組織運営
元旦から始まった自分の学習観のルーツを辿る試み
クラウドファンディングに挑戦しているeboardの応援企画
残り31日。
達成まで623,000円
https://readyfor.jp/projects/eboard
前回、第5回の第自ら機会を創りだし、機会によって自らをかえよでは、成長せざるをえないフィードバックがもらえる環境を自らつくることについて書きました。今回は
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第6回 学会のような組織運営
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学会と聞いてイメージ湧きますでしょうか?
私の仕事である組織コンサルティングで目指している組織のイメージは『学会のような組織』なのですが、学会に参加した経験がある人は案外多くないのですね。そういう自分もHRD研究所に異動になって、学会に参加するまで知らなかったのです。
学会にはこっちだと方向を指し示す人はいません。それぞれが真実を探求しようとして日々研究を続け、最も引用される論文の方へと自然と進んでゆきます。
この世の中には、真実というものはありません。
今のところは、この考え方がただしそうだと多くの人が合意したことがあるだけです。
なので、画期的な新発見があると今まで正しいと言われていたことは、間違いだったということになります。
誰も方向を指し示すことなどできないのです。
それは、科学者の中では当たり前のことです。
ですが、学校ではあたかも正解があるかの如く教えられます。
自分自身、博士課程に行くためにいろんな先生にお会いする中で、自分は学問ということをしてきていなかったことに気づきました。
臨床心理などの一部の学科を除けば、文系ではあまり実験をしません。
文系の論文は、せいぜい、先行論文の索引をつくっているようなもので、
8時間×5日×4週間×12ヶ月×2年の約4000時間の実験(仮説−検証)の蓄積とは程遠いものです。
ある仮説を思いつく。この仮説が正しいかどうかは、こうすれば検証できるという発想は文系では育ちにくのです。
学会に参加して、「あ、これはリクルートの事例発表会のようだな」と感じました。
リクルートは理系の比率が非常に高い会社なのですが、それは、仮説を立てる習慣がある人を採用しているからなのです。だから、学会のような組織運営が可能なのでしょう。
学会におけるリーダーは、最も引用される論文を書いた人です。誰か権威が賞賛したという事以上に、多くの人が追加検証をして正しいことが確認されたという論文を書き、そして発信し続けているという人です。
リクルートの仕事は、ほとんどが広告づくりです。広告は仮説です。その際に頼りになるのは、先行事例です。つまり、リクルートはある程度検証された仮説を売ることを仕事にしている会社だということです。リクルートにおけるリーダーは最も引用される事例をつくった人なのです。お客様の現実に向き合い、応募してくる人の心理に通じて、多くの事例のデータベースを持っている人です。
リクルートが、人才を輩出する会社だということが事実だとしたら、その背景には日々、仮説−検証し、検証された仮説を発表し評価される=つまり、学問し続けざるをえないように環境や仕事をデザインした結果だと言えるのではないでしょうか?
私が反転授業に期待をするのは、学問をする習慣が身につくかもしれないという点です。教室が検証された仮説を持ち寄り、話し合い、評価し合い高めあってゆく場にできれば、生涯にわたって学び続ける基盤ができるかもしれません。
eBoardやその他の独習サイトは、それだけで完結するのではなくて、オンラインとリアルを組み合わせて高め合う場をセットにすることで学ぶ楽しさから学問する楽しさに進化させられると思います。
日々、仮説を立てることは面倒なことです。それを書いて発表するとなれば、なおさらでしょう。だからこそ、小さい時から基本として体に染み込ませたいものです。
可能性はあります。
なぜなら、子供たちがテレビを観たり、ゲームをするのは、
そうしないと仲間はずれになるという同調圧力があることとと
それ自体が楽しいからです。
その楽しさは、新しいことを発見したり、仮説があたる楽しさ、できると嬉しい。教えてあげて、喜ばれると嬉しいというところから来るのだとしたら、同じことを学び合いでも実現することは可能だからです。
これまで、ベトナムに行ったことによって世界観が変わったこと
多摩大MBAでの『知識創造の方法論』や田坂先生との出会い、
リクルートのことについて書いてきました。
次は、学習における最難関、どうやったら主体的に学ぶようになるのか?
という問いについて決定的な体験になった大学でのボート部時代のことを書きます。
次は、第7回 協力と競争による共創です。
eboardのクラウドファウンディング挑戦。
残り31日。
達成まで623,000円
https://readyfor.jp/projects/eboard
第2回 海外の学校で教えている時に感じたこと
第3回 JICAのプログラムづくりへの参加