Bellnoteの由来

“Bellnote”とはボート用語で、チームワークの究極の状態です。

クルーの「心」「技」「体」が一致したときに、初めて聞くことができる「音」だといわれています。
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艇を進める上でオールを水に入れてつかむことをキャッチといいます。水に入った瞬間に艇を進める方向に力を加えなければ抵抗になります。スピードを生む一瞬につかむ技術と推進力を与えるパワー全員が同時という高いレベルでチームワークが実現したときに、Bellの音がするというのです。

大学4年の全日本大学選手権の予選でこれぞ『フロー』という至高体験をしました。それ以来、仲間やチームワークの素晴らしさ、一体感を社会に出てからも再現したいと思い。いかに全員が主体性を発揮しあう創造的な組織をつくるか試行錯誤し続け今日に至っています。

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レースで勝つ快感を味わっただけならば、他にもたくさん経験者はいらっしゃるでしょう。

私にとって生涯忘れられなくなったのは、3年生の時にメンバーから、『あなたのようには頑張れない』と言われて勝てなかったところから、

ご機嫌職場づくり

自分がメンバーから離れて単独行動をとるために、たまたま取り入れたある仕組みによって、全員が主体的に取り組むようになって、練習はキツくなったのですが、精神的にはずっと楽になって、かつ、結果も出たという体験だったからです。結果を出すために、必ずしも強烈なリーダーシップを必要としない、いや、むしろ害になるということです。

世の中には、自分はそれほど優秀ではないのに、リーダーをしなければいけないというプレッシャーに苦しむ人がいます。リクルートの創業者の江副氏は著書の『かもめが翔んだ日』には、

私はこどもの時からケンカが弱く、他人と競うことを極力避けてきた。人を統率する力は弱い。社員が増え、社業が拡大するにつれ、私はトップでいることがつらくなった。そのため社員の誰よりも懸命に働きつつ、一方で自分の弱みを補っていく仕組みを構築していった

とあります。アイディアが良くて伸びてしまった会社の社長やカリスマ社長のあとを継ぐ後継者は、自分が頑張らなくても良い仕組みをつくることで、自分を活かすことができます。普通の人が集まって、非凡な結果を出す。そういう場づくりをすることがBellnoteなのです。
かつて、鉄鋼王と言われたカネギー氏はプリンストン大学から人生において成功する秘訣を若い大学生に教えてあげて欲しいと依頼を受けた時に、「私の話を聞くよりも、ボートを漕ぎなさい。そこに人生において成功するための知恵が詰まっているから」と言ってダム湖を寄付したというエピソードがあります。

人は、何か意義のあることを成し遂げよう思っても、自分一人で成し遂げることはできません。仲間・同志との相乗効果・チームワークが必要です。自分だけでは何もできないのだ。仲間との信頼関係を育もう。目標に向かって常に最大限の努力をしようということをこの“Belnote”という言葉で思い出すのです。

ボートのことに少しだけ触れます。ボートは「心の鍛練」に非常に適しています。成功に必要な「信頼関係」に対する示唆に富んでいます。
例えば、ボートでは、進行方向は見えません。想像するしかありません。見えるのは過去だけなのです。
「自分のことだけをやっていれば良いんだ」ということでは勝つことはできません。自分の技術・体力を向上させることはもちろん、他のメンバーも努力をしたくなる場をつくらなければいけません。サッカーや野球のようにエースの卓越した力で勝つということは難しいのです。自分と拮抗する力を持った人間が最低1人いないとまっすぐ進むこともできません。最も能力の低い人のレベルでしか漕げません。だから、勝つためには全体のレベルを上げるしかないのです。
ボートでは、自分の前にいる人の動き以外は見えません。特に、後ろはまったく見えません。ボートの練習は心肺機能向上の練習がメインなので単調でキツイ練習の積み重ねです。自分の限界を越えたところにいかないと力がつきません。手を抜いたとしても見た目にはわかりません。そんな中で、「誰かサボってるんじゃないか」なんて思ったら、練習に身が入りますか?自分も苦しいが目標の達成のためにみなベストを尽くしているという信頼感なくしてはいい練習はできないのです。
そして、水をつかむとか、リズムとかいった目で見えない感覚的なことを言葉で伝えなくてはいけません。人が理解するために、表現を試行錯誤する。相手が何を意図しているのか掴もうとする。そんなコミュニケーションができなければ信頼しあうことはできないのです。
つまり、共通の目的に向かって、強い信頼関係に結ばれたもの同士が、相乗効果を発揮する。そんなスポーツなのです。

仕事もスポーツやゲームのように、全員が全力を発揮できるようにデザインすること。

 

しんどいけど楽しい、苦しいけど面白いというプロジェク経験を通じて、

価値とチームを創ることができるリーダーを輩出する

全員が主体性を発揮する創造的な組織づくりのお手伝いをしています