ありえる楽考 Vol.4

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*【vol.04】
自分独自の商品企画・サービス開発を通じて、
自分を知り、表現し、他者を理解し、
お互いの持ち味を組み合わせて、新しい価値をつくりだす
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*週刊発行

ありえない を ありえる に
悲怒嫌(ひどい) を 喜楽利(きらり)に
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自分が成長できる環境をつくる
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「どろろ」の実写版が公開されました。私はこの物語が好きです。
体の48カ所を魔物に奪われて生れてきた赤子が、魔物と闘い少し
ずつ本当の自分を取り戻すというストーリーが人間の宿命のように
思えるからです

物理的に目や耳があっても、見ていない、聞いていない。今あるも
のを大切にせずに、人を羨むということが、人生に苦しみをうんで
いるのです。あまたの「英雄物語」が繰り返し伝えていることは、
自分自身を取り戻すという旅を通じて、人生の宝は自分の中にある。
囚われを手放した時にそれがわかるというものです

人才を輩出する仕組みというのは、誰かがつくってくれるわけでは
なく、自分でつくるものです。そこに、必要な要素は多くの物語に
共通しています。それは、自分を導いてくれる師匠と共に旅をする
相棒です。「どろろ」でいえば、拾って医術を施し、育ててくれた
「寿海」と「どろろ」。スターウォーズでいえば「オビ=ワン」と
「ハン=ソロ」。巨人の星では「星一徹」と「伴宙太」です

不完全な私たちが、自分自身を取り戻すという旅には、導き、至ら
ないところを補ってくれる存在が必要だということなのでしょう。
人生において師匠、そして相棒と出会うことは重要な転機です。
事実、ソニーは井深大氏が盛田昭夫氏と、ホンダは本田宗一郎氏が
藤沢武夫氏と出会わなければ今日の姿にはなっていないでしょう

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読書会
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今週は、火曜の朝に読書会がありました。題材は一つは「これから
何が起こるのか
」という本のです。読書会が何の関係があるのかと
いえば、読書会は仲間と出会う良い機会だからです

この本は、田坂広志さんによる情報革命によって、社会や企業、個
人がどのように変わるのかを論じています。一言でいえば、商品・
サービスの提供者と消費者の垣根が曖昧になって、一緒に成長して
ゆく社会です

田坂さんは、私の修士の指導教官で、この世界観は私が日々考えて
いることでもあります。この本を媒介にお互いが考えていることを
ぶつけ合うと発想が広がったり、「お互いのリソースを持ち寄ると
こういうことができない?」という場になりやすいということをあ
らためて発見しました

自分がイメージしている世界観に共鳴してくれる人と出会う、良い
場になりうるのです。1度や2度ではなく、出会えるまで、何度で
も取り組むことでチャンスが広がるように思います

 

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空想無印
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重なる時には、重なるもので、この本の中でメタ・プロシューマと
して紹介されているエレファントデザインが無印良品と組んで空想
無印という試みを始めました
これは、欲しいという声が集まったら商品化されるという、ユーザー
参加型の商品企画サービスに、ユーザーが自分の「こういうのがあっ
たら良いな」を発信できるサービスです

今までは、投票できるだけだったのが、提案できるというのが新し
いところです

試みに、一つ取り組んでみました
仲間と誘い合って議論をし「空想無印」に提案する商品を創ってみ
て、各自のブログでプロモーションに取り組むと「これから何が起
こるのか」に描かれている世界を実感することができるでしょう

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自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
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この言葉は、リクルートに関心がある方はご存じかと思いますが、
かつてのリクルートの社是です。この言葉が、リクルートだけの特
殊な概念から、多くの人にとってのキャリア戦略になると私は考え
ています

自分の問題意識が形になるまで突き詰めて、世の中に問う。自分の
問いかけに反応してくれる人の輪が広がることによって、自分に戻っ
てくる。この相互作用で自分自身と周囲が一緒に変わってゆく

インターネットという情報手段がより使い勝手が良くなり、「空想
無印」のようなことがやりやすくなれば、誰でも、小さな一歩を今
すぐ始めることができます

成功する秘訣というものが、もしあるとするならば、現実をありの
ままに直視して、仮説を立て、検証し、仮説を修正するという創意工
夫、試行錯誤をどれだけの量をこなし、それが質に転嫁するかなの
ではないかと思っています

今、目の前にあるチャンスは、創意工夫、試行錯誤に着手する時間
とコストが極小になったということです。すぐに着手し、継続できる人
ならば、時間の早い遅いの差はあるかもしれませんが、たどり着く
可能性が大きくなった時代にいるということは確かでしょう

情報を発信する所に人と情報が集まる。井深さんが盛田さんに出会っ
たのは、井深さんが新聞記事に載ったから。本田さんが藤沢さんに
出会ったのは、本田さんが誰かいい人はいないかと竹島弘氏に依頼
したから。情報と人が自分が成長をできる環境をつくる鍵なのです

 

以上
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今回から、期間中に更新したblog情報も掲載してみました