第10回 自己との対話

元旦から始まった自分の学習観のルーツを辿る試み

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第9回 対話の場づくりでは、他者と協力して生きてゆくために、他者を知り、自分を知ることは有効だと述べました。今回は

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第10回 自己との対話

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私には師匠として敬愛している人物が二人います。

一人が田坂先生で、もう一人が榎本さんです。

コーチの養成スクールのCTIジャパンの創業者で、リクルートのHRDの商品開発の先輩でもあり、大学は違いますが、ボート部つながりでもあります。

榎本さんとの出会いは、偶然の連続でした。 たまたま、AERAの中吊りでコーチングが目に止まり買って戻った机の上に、活躍するOBということで『部下を伸ばすコーチング』を出版されたばかりの榎本さんが紹介されていました。その週末の日曜日に第1回のコーチングのカンファレンスがあり、本に書かれていたメールアドレスに連絡をしたところ土曜日にお会いしていただけることになりました。

榎本さんの話やカンファレンスの内容を聞いて、これは自分向きだと思いました。大学のボート部のコーチを7年間してきていましたし、『7つの習慣』の受講者を対象に、習慣化するサポートの必要性を感じていました。

榎本さんの真摯な人柄に共感して、すぐにでも入門したかったのですが、この時は、まだ日本でCTIのの養成コースはなくて、アメリカに行く必要がありました。それで、しかたなくCoach21のCTPを受講することにしました。

今にして思えば、CTPは反転授業の原型ですね。当時、珍しい電話会議システムで1度に20人が参加できました。毎週4回にわけて単元ごとに予習をしてきて、週1回60分の電話会議では予習内容を深めたり、ロールプレイングをします。

まだ、受講中ではありましたが、教える側にもなりました。4週間のプログラムを組み立てて、模擬ロープレをしたり、受講者の状況にあわせてメールでフォローをしたり、この人とこの人がロープレすると良さそうだなとか仮説−検証を繰り返し、1ヶ月が終わると参加者からの率直なFBをもらいます。なかなかに痛いところをつかれる感じですが、非常に為になりました。

今でこそ、コーチングは社会人であればかなりの人が知っていますが、私が出会った1999年当時は、コーチングとは何かから説明しなければいけない状況でした。受講した人がコーチとしてやっていけるようにサポートさせていただく機会も多くありました。自主勉強会も数多くやりました。

この経験から学ぶことは3つあります。

1つはTOPに立つ人間の人物がなにより大切であること。

2つ目は、自ら一歩踏み出すことによって学びは大きくなること。

3つ目は、教えてもらうのではなく、一歩踏み出し学び合う場をつくるために、準備する中で学び、経験をつむことができるということでした。

プログラム的には、CTPの方が優れていたかもしれません。クラスコーチもしていたにも関わらず、結局はCTIを選びました。それはTOPの人間的魅力と周囲に集まる人達との相性でした。アメリカの年次大会に参加した際に強く感じましたが、『お金のためにコーチをする人たち』と『より良い社会や世界にするためにコーチをする人』と二種類の人達がいました。お金の人たちはネットワーク販売のような感じで稼いで豊になりましょうでした。結果的に、いろんな行動が操作的に感じられるのです。

榎本さんは、コーチング=自己との対話だけでは社会は変わらないと思い、再び探求の旅に出かけ、フィンドホーンでエコビレッジに出会い、日本に持ち帰りました。私たちがより良く生きてゆくために、自己との対話と自分を取り巻く環境の両方に働きかける必要がある。そのためのツールを用意したのです。

無駄を省き、電気や食べものも自給する。急がず、自分のペースでしっかりと感じながら周囲の人と一緒に歩んでゆく。この価値観を理解するのに時間がかかりました。

やり続ければ、徐々に意識も世界観も変わってゆくものですね。わかってからやるのも良いですが、その間に時間がすぎていってしまいます。

 

次は、第11回 本との対話です。

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